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医師を目指す方へのメッセージ

原町赤十字病院

医師を目指す高校生・医学部生の諸君へ原町赤十字病院

 高校に入学すると将来の職業についていろいろ悩むことが多くなると思います。一度きりの人生をどのように生きるか、どのような職業に就くことが自分を生かす道なのか、大いに考え、悩み、自分で見つけていくことが大事です。私自身は高校時代に医師を目指すことを決めました。もともと理科系の教科が好きだったこともありますが、生命現象の不思議さに感動し、生物の進化や個体の発生や成長の仕組みなど勉強したいと思うようになりました。また、一方で人のために何か役に立てる人間になりたい、職業に就きたいと思うようになり、医学部を選びました。大学受験では私もそれなりに苦労しましたが、諸君の若い情熱があれば、何とか乗り越えられるものです。
 現在の医学部のカリキュラムでは一年生から医学の専門科目が始まり、医学の進歩などにより覚えるべき医学的知識は膨大になっており、臨床実習の時間も大幅に増えているようで、今の医学部生はなかなか忙しいようです。ただこの医学部での6年間に本当の意味での教養(客観的な観察能力、科学的な思考方法、倫理的行動など)を身に着けてほしいと思います。どんな人ともコミュニケーションができること、相手の立場・心情を理解できること、病気で悩み苦しむ人のつらさを真に理解することは医師にとっては最も重要な資質と思います。自分の学生時代を振り返るときこの点が残念ながら、不十分でした。いまさらながら反省する事がしばしばです。ただやはり、医学生時代の6年間はたいへん懐かしく、楽しい思い出となっています。授業や実習、運動部や文化部の活動や、様々な交友関係、仲間同士の旅行、アルバイトの経験などおよそ100名の同級生がそれぞれの青春を謳歌し、人生を楽しんでいたと思います。もちろん、進級試験や卒業試験、医師国家試験の前には必死で勉強したのも思い出します。
 今すでに医学生になっている諸君は充実した学生生活を送っていると思いますが、将来何科の専門医になろうか、研究医か臨床医か、外科系か内科系か、進路について迷うことが多くなります。その時はさまざまな病院や医療施設での実習や、見学を是非お勧めしたいと思います。救急外来、当直勤務、訪問診察など大学病院とは異なる診療部門での実習を勧めます。私も40年ほど前は群馬大学の医学生でしたが、5年次の夏休みに当時の結核療養所に2週間ほど実習に通い、また、地元の都会の小さな病院での実習では大変珍しい病気の患者さんを診察させていただき、大変感銘を受けたことを覚えております。皆さんの若い感性で身近で実践的な医療を体験することで、自分の目指す医師像が見えてくると思います。
 原町赤十字病院は227床の地域医療を担う中小病院ですが、内科、外科、整形外科を中心に小児から高齢者まで幅広く診療を行っており、がん診療、緩和医療、在宅医療も行っております。
 当院の医療に興味を持たれましたら、臨床実習として、また初期研修の「地域医療研修」としてぜひ来てください。現場の医療を体験することで、医師の仕事が天職と感じることができると思います。いつでも歓迎いたします。

院長: 竹澤 二郎

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