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医師を目指す方へのメッセージ

長野原町へき地診療所

「支えあうこと」長野原町へき地診療所

 医師の道を進もうと考えている皆さんへ。それはとても勇気のある決断であり誇り高いことであると思います。まずは自分に自信を持ちましょう。皆さんはこれから困難な旅路を進むことになるかもしれません。人生に平坦な道のりなんてない。そして羅針盤は自分で作るものです。
 初めまして、長野原町へき地診療所の金子稔と申します。医師を目指すきっかけは「誰かのために、社会のために出来ることは何か」ということでした。一人でも多くの人たちの命を救いたい。一人でも多くの人たちが穏やかで過ごせる社会になるように何か貢献したい。このことを思いながら医師という職業を選びました。医師になりたいという思いを抱いてから20年以上が経ちました。そして医師になり8年が過ぎました。その時の気持ちは色褪せることなく今ではより鮮明にはっきりとなり、自分がすべきことを育んでいるところです。現在は、群馬県の北西部に位置する長野原町でへき地診療所に勤務しています。昨今、地域包括ケアシステムや多職種連携などが強調されています。「顔の見える関係の先にある“腹の見える関係”」現在はそれを求めているところです。医療者は地域のコミュニティーの一部として機能することはありますが、地域社会の一員として町の行事やお祭り、スポーツ活動、社会貢献活動に参加することはあまり多くないのではないでしょうか。しかし、医師という以前に一人の住民の立場となったときに「長野原町のことをもっと知りたい。長野原町の人たちと一緒に笑ったり泣いたりしたい」そんな思いが湧き上がってきました。また、四季折々の自然の変化を直に体で感じることで何か清々しい気持ちにもなりました。要するに「なんとなく」長野原町が好きなんです。医療者という立場はありますが、長野原町の方々は私を独りの町民として受け入れてくれています。そんな長野原町と共に年をとって生きたいと思っています。
 最後になりますが、病に苦しむ患者さんを目の前にしたときに私たちは何が出来るのか。「目の前の患者さんは一人である。そして、その人は家族や友人にとってたった一人の存在である。その人に対して医師として何が出来るのか。全力で診療をするしかない。」私たちはひとりではちっぽけな存在だけど、誰かを支えることで、また誰かが支えてくれるそんな仕事をしているのだと実感しています。

所長: 金子 稔

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