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其の四 専門医への道~小児科編~

日時: 令和元年7月4日(木)12:20~12:40
ゲスト: 群馬大学医学部附属病院小児科 武井麻里子先生、西澤拓哉先生、大谷祐介先生
参加者: 群馬大学医学部医学科生 尾崎さん(4)、中澤さん(4)、鈴木さん(4)、
田中さん(3)、深堀さん(3)、熊谷さん(2)、栗田さん(2)、宮崎さん(2)、
伊吹さん(1)
*()内は学年
群馬県地域医療支援センター専任医師 羽鳥

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センター医師

今回は、小児科に興味のある地域枠学生に集まってもらいました。ゲストは小児科の武井先生、西澤先生、大谷先生です。先生方は、どのように診療科を決定したのでしょうか。

小児科医師1

小児科の医師は、大学病院、小児医療センターに次いで、桐生厚生総合病院や群馬中央病院に多く集まっています。新生児集中治療(NICU)があることも影響していると思います。臨床研修がアットホームな雰囲気で好評なのが、A病院かな。臨床研修を経て、そのまま小児科医になる先生も少なくありません。新しくなったB病院では、特に小児科の中でも腎臓を専門的に診療する医師が多く集まっています。

小児科医師2

私の場合は、たすき掛けで市中病院を1年目、2年目が大学病院でした。大学病院ではほとんどの期間を小児科で研修しました。臨床研修中、診療科が決まると成人領域の疾患は診られなくなってしまうと思い、積極的に夜間救急などにも手を伸ばしました。研修医は、夜間でfirst touchをさせてもらえるので、良い経験になると思います。

小児科医師3

私は、(臨床研修の)内科研修では、できるだけ多くのcommon diseaseに関わるように心がけていました。必修の救急科では、どの診療科の医師も丁寧に指導してくださいました。小児科になりたいという希望があれば、1年、市中病院で様々な疾患について学ぶこともよい経験かもしれません。

在校生

いくつかの診療科の医師に対して、奨学金制度*があったと思います。
(注*:群馬大学医学部医学科の地域枠学生・卒業生は、群馬県医師確保修学研修資金貸与制度を受けることができません。)

小児科医師2

小児科医になると決めている研修医や大学院生などは、実際に奨学金制度を活用している場合がありますよ。ただ、勤務先の病院は、自分の希望だけでは決められないこともあるので、事前に細かいことは確認しておくことが必要かもしれません。

在学生

小児科に興味があります。でも、女性の場合、産休とか育休とか勤務を中断することもあるし、家族の関係で県外に行くこともあるのかなとちょっと悩むときもあります。

小児科医師2

女性はいろいろありますよね。私も子供がいますが、今のところ大きな負担はなく勤務できているのかな、と思っています。

センター医師

院内には保育園がありますし、市中病院でも保育園を併設しているところがありますよね。先生は、出産後復帰されたばかりなのに、何も不安なく勤務を始めていらっしゃってすごいと思います。

在学生

学生の頃のお話を聞かせてください。

小児科医師1

在学中は、部活とバイトばかりでした。学卒で単位取得を済ませていた時期に、短期、海外留学をしました。それは良い経験だったと思っています。
小児科になることがある程度決まった時期から、マイナー科では小児診療に役立ちそうなものを中心に研修しました。耳鼻科では、耳鏡の使い方や診断とか。中耳炎は多いですからね。また、皮膚科では、発疹の診断・鑑別などです。

在学生

小児科の特徴を教えてください。

小児科医師3

慢性期の医療は患者さんやご家族との付き合い方が難しいです。急性期の医療では、体調不良で来た子供も元気になって退院することが多く、幸せです。でも、最初のうち、一人の当直が不安だったなあ。

小児科医師1

全身を診られるような医師になりたくて、成人の内科系では、呼吸器、消化器、膠原病などにも興味がありました。救急とか集中治療(ICU)とかも。そういった意味では、小児科医も子供の全身を診ているんですよね。


当日、先生方は学会の予演も重なっていたのですが、お昼の合間を縫って、学生との懇談の場を作ってくださいました。お話を伺ったのは若手の小児科医でしたが、どの先生も在学中から“全身を診る”ことに興味を持ち、小児科を目指したようです。まだまだこれから進路を決定していく学生も、どの先生も迷いながら自分の道を決めてきたんだなあと、医師をより身近な存在として感じることができたのではないでしょうか。小児科の先生方、ご協力いただきまして、ありがとうございました。

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