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医師を目指す方へのメッセージ

桐生厚生総合病院

桐生厚生総合病院

 桐生厚生総合病院は、県東部の桐生市・みどり市を医療圏とする唯一の総合病院で、両市民の方々の健康を支える重要な役割を担っています。そして、両市の事情は幼少・若年者人口の減少と高齢者人口比率の上昇が徐々に進む典型的な日本の姿になっています。そのため病院診療も高齢者医療対策が欠かせず、地域の医療需要に見合う変化を遂げています。
 近年は初期臨床研修制度の発足で新卒医師の動向は不確実になり、当院の初期研修への応募は減る傾向に拍車がかかり、両市医療圏への影響は必至であろうと危惧していました。
 そしてこの問題の解決には県内出身の医師の増加が絶対に必要で、全国の秀才にも負けず意欲的に医師を目指して頑張る高校生が増えることが重要となります。さらに地域医療の現状打開のためにも、何とか若い医師養成の手伝いは出来ないかとも考えました。丁度その頃、医学体験セミナー開催のお話があり、当院もさっそく協力の申し出を致しました。
 それは、明日の県医療を担う力である若い医師たちの発掘と育成に参画できるのは大変な名誉であり、また当院がその任務に敵う病院機能を持つ証明の機会でもあると考えました。
 内容は、高校生には将来の医師を目指す意欲や動機を高め、医学部受験に果敢に挑戦し、医学生になる。そのために病院医療を自分の眼で見聞し、自分の将来医師像を明確にして、勉学意欲を形成する機会を提供する「医学部医学科をめざす高校生の職場体験セミナー」を開催する。
 医学生には当院に来て頂き、その体験から“田舎の僻地病院”から“平均的な普通の総合病院”へとイメージ転換を図り、県内どこの総合病院でも若い医師がはつらつと活躍していることを知ってもらい、県内に留まる選択を考える機会を提供する「地域医療体験セミナーin群馬」を開催する。
 当院に寝泊まりして病院の24時間を実感して頂き、地域総合病院での医療水準や診療環境を知り、症例も豊富で診療技能も上がり、専門医制度認定の症例数をこなせる。そして地域病院赴任も何ら医師の経歴に見劣りは無く、医師としての成長も可能である、また地域病院の特色ある診療実態を知る機会を提供する「数日型地域医療体験セミナーin群馬」を開催する。
 当セミナーが若い人達に医師になろうとする意欲や啓発の一助となるために、各プログラムを更新しつつ、参加者を募り、体験学習から医療への理解と希望が育つように努めてきました。そして最近の当セミナー受講生に医学部入学者がいる話を聞き、今までの努力と熱意が通じたようで、遣り甲斐の満足感や喜びと共に、身の引き締まる思いであり、セミナーの意義を改めて見直しました。
 これまで継続できたのは、絶えず群馬大学の関係者や県医療担当の関係者の方々の働き掛けがあってのことと感謝申し上げます。そしてこれからも引き続き当院での体験学習を開催できますように、ご支援とご協力を更にお願いして、報告とさせていただきます。

院長: 丸田 栄

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