公立藤岡総合病院
当院は藤岡および高崎・埼玉北部を含む医療圏で、地域の皆さんが病気になっても安心して暮らせるように、地域の健康の維持増進に貢献し、中核病院としての役割を果たしております。当院では現在、医療の質の向上のためにソフト・ハード両面から機能再整備計画をすすめております。まずプロセス改善については、院内で臨床指標を用いて本質サービス、表層サービスの改善を図るとともに、外部機関である日本医療機能評価機構および卒後臨床研修評価機構から、医療提供体制が認定基準を満たし適正であると認定されました。また、病院と外来センター分離に伴う非効率を解消すべく、平成29年度には病院と外来センターを再統合し、新病院として開院する予定で計画を進めております。新しい価値を創造し、救急およびがんなど高度専門医療を提供し、地域から信頼され選ばれる病院を目指しております。
今年度は10人の医師をめざす高校生の皆さんに見学に来ていただきました。短い時間でしたが、病院概要の説明、院内視察、実技研修などを体験していただきました。さすがに医師志望ということもあり熱意を感じました。
現在の高校生の皆さんが医師になって活躍する頃には、まさに2025年問題が現実になっている頃です。「治す医療」から「治し、支える医療」へと医療提供体制も大きく変わり、チーム医療の中で医師の役割も変わっていることが推察されます。しかしながら、求められる医師の資質は、古今東西を問わず変わらないと思います。昨今、技術革新で、知識や技術の習得に多くの時間が割かれておりますが、倫理観や人格形成に費やされる時間が少ないようにも思います。また不幸にも医療事故に遭遇したとき、医師と患者さんの信頼関係が薄れ、尊敬されるどころか常に疑念の目で見られていることを痛感します。医師は謙虚に誠実に、相手をいつくしむ心をもって医療に励むことが求められます。つまり医療は学問だけでなく人間性が求められる分野です。
見学に来ていただいた皆さんには是非医師を目指していただきたいと思います。皆さんは、志高き未来を築く人たちです。その志が生涯続くことを望んでいます。恐れず、ひるまず、前向きにチャレンジしてください。どんな経験も必ず皆さんを育ててくれます。今後の健闘を祈り、医療現場で会えることを楽しみにしております。

医学部医学科をめざす高校生の職場体験セミナー




