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医学生へのメッセージ

希望の家療育病院

希望の家療育病院医学生のための地域医療体験セミナー in 桐生
 今年も地域医療体験セミナーに当施設を選んで頂いたことに感謝しております。今回体験セミナーに参加された皆様には、言葉もなく、身辺のことは全介助、そして治癒を期待できない重い障害児(者)を目の前にして戸惑われたことと思います。しかしよく見ると彼らにも喜怒哀楽があり、嬉しそうな明るい笑顔があり、その中に彼らなりの人生があり、その命を多職種の職員が協力して明るく大切に守っている姿をご覧いただきました。今後医療に関わる学生として、生きることの意味の奥深さや医療のあるべき姿について考え、そしてこのことが平和で豊かな日本だからできることであることなどを感じて頂ければ、今回の訪問は意味があったと考えます。
 最近障害者福祉の基本となる「障害者総合福祉法」という法律が生まれ、障害は大きく身体障害、知的障害、精神障害に分けられ、重症心身障害と言う言葉は無くなりました。しかし重症心身障害は、それなりの歴史的背景と社会的必要性の中から生まれたものです。そして重症心身障害状態は現実に存在しており、従来は発達障害として独自の医療、看護、リハビリ、介護、教育の対応策が45年の歴史の中で築かれてきましたが、今後は加齢、神経難病、事故などにより重症心身障害状態になった方たちにも対応する必要が出てきます。また在宅療養が推進される施策の中で、関係職種の仕事も結果として外来診療、往診治療、訪問看護・介護・リハビリ・教育やデイサービス、施設への短期入所、などの需要が増えるなど仕事の質も変化してゆくことが予想されます。つまり重症心身障害医療、看護、介護、教育のノウハウが消えることはないと考えております。

病院長: 町田裕一

 

 当法人では付属施設として北関東アレルギー研究所があり、障害児(者)や一般の方のアレルギー診療とその研究を行っています。
 アレルギー性疾患は全人口の3分の1の方が罹患し、生活の質すなわちQOLに対する影響はかなり大きいと言われています。また、気管支喘息やアナフイラキシーでは、不幸な転帰をとることもあります。さらに、アレルギー疾患は地域の特徴があり、群馬県では花粉症等の罹患率が高率です。全国一律に疾患を考えるのではなく、地域における特徴を踏まえて検討する事が必要であります。また、高齢化や少子化、さらには家屋構造の変化や環境因子の変化はここ10数年、目をみはる程でアレルギーへの影響が考えられます。世界的に見ても、多くの国においてもアレルギー疾患の増加がみられました。その原因を解明するために、疫学的手法、環境因子を検討する手法、さらには人の体の変化(免疫学的手法など)を検討する手法などについても検討しています。
 アレルギー疾患は、国により、地方によりその病態や原因が異なります。その多様性は一人一人の患者さんの検討からわかってくる場合が少なくありません。このセミナーを通じてアレルギー疾患のみならず種々の疾患の多様性とそれに対する的確な治療への姿勢を学んでいただけたことと思います。

北関東アレルギー研究所 所長: 森川昭廣

 

 重症心身障害児(者)施設を初めて見学され、驚きと共に衝撃を受けた方がいらしたと思います。様々な原因で脳に重い障害を受け、今の制度では、終生施設内生活をおくり、施設内生活がその人の全人生となってします方も多くいます。我々施設職員は、多くの専門スタッフと協力し、重症児(者)がこの施設で暮らし、良い人生だったと思えるように日々、「より良い表情を引き出す」ように「療育活動」を提供しています。
 今後も、様々な「障害児(者)」を取り巻く、「福祉・医療」の連携について、常に念頭に置いた「医療人」になられることを期待しています。

 看護部長 田島雅之

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