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医師を目指す方へのメッセージ

下仁田厚生病院

下仁田厚生病院職場体験および地域医療体験セミナーin下仁田厚生病院 2017を終えて

 今年も、当院における職場体験ならびに地域医療体験セミナーを実施させて頂きました。参加者の皆さんには、お疲れ様でした。また、関係者の皆様には大変お世話になりました。
 高齢化率日本一の南牧村やそれに次ぐ高齢化率の下仁田町における当院の外来・入院患者さんの年齢の高さ(90歳から100歳超も普通)を実感して頂けたでしょうか。
 戦後ベビーブームの時代に生まれ、「団塊の世代」と呼ばれる人々のすべてが75歳以上の年齢を迎え、病院や介護施設が不足するとされる「2025年問題」は、当地域では、すでに到達しており、ピークは過ぎたというのが現状です。ある意味では、日本の最先端を行っているとも考えられます。また、当地域には一般開業医が少なく、当院がかかりつけ医の役割も担っていて、総合診療医的な医療が求められているのが現状ですが、すべてを完璧にこなせる医師など存在するはずはなく、総合診療医的資質を基礎に、何か一つ自分の得意分野を持っていることがよいのではないでしょうか。
 重要なことは、患者さんを診る場合に、自分の手元で診断・治療することでよいのか、時間的・技術的に正しいのか、あるいは、より高次の病院に急いで転送する必要があるのかをすばやく判断し、さらには、その場合の応急処置は何かを知っていて、実際にその処置ができる必要があります。結果的にそれが、患者さんのメリットになるわけです。また、当地域のような高齢患者さんが対象の場合には、「複数の疾患を同時に持っている可能性がある」ということを常に念頭に置いた幅広い診断能力を養っておく必要もあります。
 現在、国の医療政策は、在宅医療へと大きく舵を切っていますが、都市部とは異なり、当地域では、高齢者の「独居」「老々世帯」の急速な増加のために本来の自宅では在宅療養が成立せず、その代わりに「老人施設」での在宅医療(?)がその受け皿としての重要性を増しています。
 そのような環境の下ではありますが、今回、職場体験や地域医療体験セミナーに参加された皆さんが、将来医師となり、可能であれば私達の同僚として地域医療に貢献される日が来ることを願っています。

院長: 堀越 勤

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