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医師を目指す方へのメッセージ

下仁田厚生病院

地域医療体験セミナー in 群馬下仁田厚生病院

 この度は、下仁田厚生病院における「地域医療体験セミナー in 群馬」に参加して頂きまして大変お疲れ様でした。また、セミナーに同行して頂いた先生、担当者の皆様には、大変お世話になりまして誠にありがとうございました。
 当院は、受入れ側として2年目を迎えましたが、学生さんに必要十分な説明ができたかどうか心配です。ただし、外来・一般病棟・療養病棟の患者さんの年齢の高さを実感して頂けたことは、間違いないでしょう。また、地域の「特別養護老人ホーム」へも見学に行って頂き、入所者の多くが、高齢・超高齢の方々であるのを確認して頂けたでしょうか。さらに、世界遺産「荒船風穴」および「神津牧場」の見学は、いかがだったでしょうか。
 平成28年1月時点における当地域の高齢化率は、南牧村60.1%、下仁田町44.1%、上野村44.1%と非常に高く、今後も更に高くなって行くとされています。また、現在1万人を割り込んでしまった地域人口は、さらに減少して行くと考えられています。それに伴って、独居老人や老々世帯の比率も、ますます増えて行き、在宅で医療を受けることの難しさも増して行くと思われます。このように、地域を取り巻く環境が、これから大きく変化しようとしている中で、私たちは地域医療を守るお手伝いをしているわけですが、都市部でも山間過疎地域でも、患者さんを診ることに変わりはありません。これから地域医療を担おうと思っている皆さんは、自分の医学知識や治療経験・技術を深めてから地域に貢献されるのが良いのではないでしょうか。当院に限らず、山間過疎地域では一般開業医が少なく、その地域の病院が、「かかりつけ医」の役割も担っているのが現状です。大病院のように指導医から手取り足取り指導してもらうことは、期待できませんが、逆に、自分から積極的に患者さんを診ることにより、学ぶことが多々あると思われます。そのためには、幅広い診断知識を持つことが基本であり、その他に、目の前の患者さんが緊急を要するか否かを判断する力とそれに対処する能力(自分で処置するか高次の病院に転送するか)を身につけている必要があります。
 最後に、少し宣伝をさせて頂きますと、当院は山間地域にありますが、冬の積雪は多くなく、上信越自動車道の下仁田インターチェンジから車で5分、また、高崎・下仁田間を結んでいる上信電鉄の下仁田駅からは、徒歩3分で病院に着けます。そのようなアクセスの良さから、遠距離通勤・電車通勤されている先生もおり、それをサポートするための院内の体制もしっかり整っています(もちろん、医師住宅や臨時当直室も整っています)。可能であれば、皆さんが、将来私たちの同僚として、地域医療に貢献される日が来ることを願っております。

数日型地域医療体験セミナー in 群馬

 この度は、下仁田厚生病院における「数日型地域医療体験セミナー in 群馬」に参加して頂きまして、どうもお疲れ様でした。関係者の皆様にも何かとお世話になりまして、御礼申し上げます。
 さて、当地域には、高齢化率日本一の南牧村があり、下仁田町もそれに次ぐ高齢化率を誇っていて、外来・一般病棟・療養病棟の患者さんの年齢の高さを実感して頂けたのではないでしょうか。地域の「特別養護老人ホーム」へも見学に行って頂きましたが、そこでも高齢・超高齢の入所者の方々が多かったはずです。
 また、世界遺産「荒船風穴」の見学・神津牧場のソフトクリームはいかがだったでしょうか。
 平成28年1月時点における当地域の高齢化率は、南牧村60.1%、下仁田町44.1%、上野村44.1%と非常に高く、今後も更に高くなって行くと予想されています。平成28年10月には、地域の総人口がついに1万人を下回ってしまいました。人口は、今後もますます減少して行くことが予想されています。その理由としては、若年人口・壮年人口のますますの減少は勿論ですが、高齢者人口も数年前にピークを過ぎ、すでに減少に転じているからです。そのようなことから、いわゆる「2025年問題」とされている、戦後ベビーブームの時代に生まれた「団塊の世代」と呼ばれ人たちのすべてが75歳以上を迎えて、病院や介護施設が不足するであろうとされる問題は、当地域においては、すでに到達していて、ある意味では、日本の最先端を行っているとも考えられます。
 また、当地域には一般開業医が少なく、当院がかかりつけ医の役割も担っているのが現状です。このような地域で医療を担う者としての、セミナーの時にお話しできなかった大切なことを述べますと、まず、目の前の患者さんが緊急を要するかどうかの判断・対応力を持つ必要があることです。つまり、自分が診断・治療するので間に合うのか、また、より高次の病院に急いで転送する必要があるのか、また、その場合の応急処置は何かを知っておく必要があります。次には、当地域のような高齢患者さんが対象の場合には、「複数の疾患を同時に持っている可能性がある」ということを常に念頭に置いた幅広い診断力を養う必要があるということです。
 これからの群馬の地域医療を担う皆さんは、今後どのような医師になるかを決める際に、インターネットだけの情報に頼らず、信頼できる先輩からの体験談や情報・アドバイスなども参考にした上で考えて頂きたいと思います。最後になりますが、可能であれば、今回セミナーに参加された皆さんが、将来、私達の同僚として地域医療に貢献される日が来ることを願っております。

院長: 堀越 勤

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